by Nero Padrone
13と言う数字は私の数字だった。
その月の13日に私は彼女と出会った。
彼女は特別な存在だった。
出会ったその瞬間に私の心は彼女に囚われて完全に我を忘れてしまっていた。
そして、その日の夜。
出会ってしまった彼女の姿が頭から離れぬ私。
それでも何気なく読んでいた雑誌のページを繰る手を止める。
それは予兆であり啓示であった。
そのままに13分間物思いに耽り、13時間現実的に可能か検討し、13日後にはそれは始まった。
かくして13日後に彼女は完全に私の恋人となる。
私の恋人となった彼女と過ごす毎日。
白衣を身につける私。
彼女と出会った日の夜の思い付きを現実にせんが為に死に物狂いに奮闘努力もする。
学び覚え行動する。
良いことを思い付いた為に。
良いことを思い付いてしまった為に。
そして彼女は身籠る。
それは私が良いことを思いついた為。
彼女と私の為に。
私の彼女の為に。
今の彼女しか愛せぬ私の為に。
私の誕生日は一月十三日だった。
一年のカレンダーが24進法ならば十三月十三日生まれとなる。
お袋のウエストが13B膨らんだ一月十三日の13時13分に私は誕生した。
凄まじい程の早産だった。
私の重さは1300gで130日保育器のなかで死線を彷徨い13ヶ月後に病院を退院した。
彼女とはじめて出会ったのは公園だった。
休日の公園のベンチで煙草をふかす私。
女の子が友達の名前を呼ぶ声。
その声に私は反応する。
少し遠くにいる呼ばれた彼女の姿が私の目の中に飛び込んで来た。
それは衝撃だった。
彼女は本当に可愛いかった。
私は我を忘れていた。
歯を見せて笑う彼女は素敵だった。
彼女は笑いながら滑り台の前で友達二人とジャンケンをしていた。
彼女はその三人の中で一番可愛いく美しかった
勝ち抜けのジャンケンで一人が勝ち、彼女ともうひとりがジャンケンを続ける。
そして彼女が負ける。
ジャンケンに負けても無邪気に笑い微笑む彼女。
ジャンケンに勝って無邪気に笑う彼女の友達たち。
ジャンケンに負けて滑り台の前に立つ彼女。
ジャンケンに勝って滑り台の前に立つ彼女の横に彼女の友達の一人が身を屈める。
身を屈めた友達の一人が指を伸ばし、そろえた両手を彼女のスカートの中に差し込む。
そして彼女の友人は斜上に向けてその両手を軽く突き上げる。
彼女の下着に包まれた性器と肛門に向けて。
そしてもう一人の友達が同じようにそれに続く。
ジャンケンに勝利した者が敗北した者に課するペナルティ。
友人達のそろえた指先が身体に当たった瞬間に彼女の可愛い顔が小さく歪む。
当たる寸前に彼女は小さくうなづくように俯きながら歯を噛み締める。
突かれた瞬間には微かに彼女の頬に赤みが差すのが見える。
ペナルティが終了した彼女はまた笑い微笑む。
無邪気に彼女は素敵に笑い微笑む。
そしてまた三人でジャンケン。
それを私は見ていた。
ずっと彼女を見ていた。
彼女だけを見ていた。
彼女を含めた三人の少女がその遊びに飽きるまで。
その彼女の姿のすべてに劣情を憶え、股間を、熱く、硬く、太く、たぎらせて。
唇を焦がそうとする程に短くなった煙草の火に気付く事なく彼女の姿だけを見ていた。
そう。
それは恋だった。
私は今のマンションから地下室がある一戸建へと引っ越す事に決める。
彼女の為に。
二人の愛の巣でもある中古の一戸建ての住居の住所は13番地だった。
地下室は元はワインセラーだった物だ。
地下室への階段に踊り場はなく、階段の数は13段だった。
地下室のドアに私はダイヤル錠を二つ付ける。
ダイヤル錠のナンバーは4162と7303だった。
どちらも数字を足し算すれば13だった。
彼女と公園で出会って13日後に私はレンタカーを借りた。
ナンバープレートの数字は51-34。
やはり足し算すると13だった。
私はレンタカーを走らせる。
彼女のすべての情報を調べ上げた私は彼女の元へと車を安全運転で走らせる。
新しい我が家から彼女がいる町へ車で二時間と十分。
つまり、ナンバー認知システムのすべてを避け、すり抜け、130分かけて裏道ばかりを通って彼女の元へと私は車を走らせる。
そして、その日の内に私は彼女を手に入れた。
腕時計を見ると時刻は13時13分。
彼女との初めてのドライブだった。
連休の二日目。
マンションからの引っ越しの日。
レンタカーを業者に返した次の日。
先に私は身の回りの物を先に自分の車に積み込み、先に新居へと運び込む。
仕事の道具の入ったカバン。
本。
寝袋。
灰皿。
そして小さな冷蔵庫。
その小さな冷蔵庫が入ったダンボール箱を地下室へと私は運ぶ。
中身はもちろん毛布に包まれた彼女だった。
地下室に彼女を横たえる。
彼女はまだ薬の加減で眠っていた。
私は鍵をかけて地上へと戻る。
換気扇を回してガスレンジでビニール袋で密封したクロロフォルムがしみ込んだハンカチと白手袋を燃やしていると呼び鈴の音がした。
消し炭を手で拾って完全に手の中で完全に握り潰す。
そして流しで手をきれいに洗い流してから玄関へと私は向かう。
引っ越しの業者だった。
私の荷物の残りが届いただけだった。
街に出る。
買い物をする為だった。
買う物は彼女の健康の為の太陽光。
植物育成用高圧ナトリウムランプ。
安定器。
セード。
ホルダ。
予備にそれらを四つづつ。
全部でで125060円。
消費税を入れれば131313円だった。
次に日用品店工の具売り場で縄を買う。
欲しかったのは麻縄か棕櫚の縄だった。
どちらも無かったので代わりに綿のロープを買う。
適当な長さで縄を備え付けられたカッターナイフで切り取り係員を呼ぶ。
買った縄の代金は13m分の長さの値段だった。
その後、薬局でイチジク浣腸を幾つかまとめて買う。
まったく意識せずに買った個数は13個だった。
そのまま帰宅しようとする。
忘れる所だった。
工具売り場に戻り、その横の日曜大工の資材の売り場で防音材と両面テープを買う。
念の為の地下室の防音用だった。
全部で6420円だった。
消費税を入れても6741円。
それだけだった。
おかしいと考えレシートを見直す。
レシートに打ち出された来客数のナンバーが1313だった。
彼女と私の愛の巣へと戻る。
銀色のアルミ箔の防音材を地下室の壁に両面テープで貼りめぐらす私。
そして、地下室の照明を取り扱い説明書を黙読しながら植物育成用高圧ナトリウムランプに交換し、安定器を接続していると彼女の身体がモゾッと動いた。
毛布に包まれた彼女が目覚めようとしている。
毛布から覗かせる両目と口をガムテープでふさがれた彼女の顔が見えた。
私は手早く接続作業を片付ける。
キッチンでサラダボールに牛乳をあけ、塩を少しと砂糖を混ぜてガスレンジで暖めた物を地下室へと私は運ぶ。
パックの牛乳の正味期限は13日だった。
塩の正味期限は07.1.05で砂糖の正味期限は05.2.06だった。
どちらの数字の合計数は13だった。
それと最初の問題の核となるのは卵だった。
私は暖めた牛乳を持ったままに毛布の上で目覚めた彼女の側でジレンマに陥っていた。
彼女の顔を見たい。
だが、私の素顔はまだ見せたくない。
私は彼女を見つめる。
彼女の両目と口を塞ぐ幅拾のガムテープ。
身体にも巻き付けたテープ。
粘着テープは足首にもはり付けられていた。
後ろ手に組まされた両手に幾重にも巻き付くガムテープ。
そして彼女の剥き出しの股間。
無毛の肉の割れ目の中、彼女の尿道口から伸びた透明の細長いチューブ。
そのチューブの反対側の先には輪ゴムとビニールテープで閉じられた萎んだポリ袋に続いていた。
ビニール袋の底に溜まった彼女の尿の色。
膝下までズリ下げられた彼女のショーツとストッキング
彼女の右のふくらはぎを包むストッキングの電線の痕。
私は手に持つサラダボールを床に置くと彼女に繋がる透明のチューブを優しく引き抜き先に彼女の下半身に巻き付くガムテープを剥がし始める。
心の中で、
(この世で一番最初に女性用のストッキングを頭に被ってみた男は大したヤツではないのかもしれない。だが、この世で一番最初に女性用のストッキングを覆面がわりに被ったヤツは結構、大したヤツなのではなかろうか?)
そんな事を考えながら私は彼女のショーツとストッキングを破らずに剥ぎ取る作業を続ける。
ビニール袋の中に溜まった彼女の尿の量は130mlだった。
彼女の体から引き剥がした縒れたガムテープを繋げてみると長さは13mだった。
問題の核となる卵。
その卵のその中心に位置する物質はプルトニューム239ではなく、ウラン235でもなく、臨界点を越えて分裂し、巨大な熱量と放射線を放出する核物質でもなく、ただ核となる物を取り外した物だった。
私は彼女のガムテープを剥がしながら彼女の身体を綿のロープで縛り上げる。
彼女の肌を痛めぬようにベビーオイルの代わりにヒゲソリ用スキンクリームで浸した綿のロープ。
13mは長過ぎるので半分に切る。
まずは半分。
彼女の背中に両の腕を曲げ持ち上げ手首に二つ折りのロープを巻き付け縛りるが、ロープはかなり余ってしまう。
余ったロープを彼女のうなじの後でひねって巻き付ける。
結んでしまうと彼女の首を締めてしまう事になる。
だから私はひねり、捻る。
また首の前で捻り、もう一度首にまきつけると乳房の間を交差せてみる。
まだ余るロープを彼女の微かに膨らみ始めた乳房の下を通し両の脇の下へ通して背中で結びつける。
まだロープは余っていた。
折り曲げて輪にした縄の余りを再度両方の脇の下へと入れ曲げた輪の部分に縄の端を通して腕を絞り上げてみるとロープはまだ少し余る。
上から下へと左右に縄を絡めて乳房に巻き付けるようにして縛り上げて少し残したロープの端を彼女のうなじの部分で彼女の髪の毛を被せる様にしてロープの端を隠す。
上半身だけの縛りだった。
残ったロープは後で下半身に使うつもりでいた。
毛布の上に私の手で上半身をロープで幾何学模様に縛り上げられた彼女がいた。
微かな胸の膨らみと華奢な彼女の身体を噛み付くように巻き付くロープで身動きの取れない彼女の姿。
私のペニスはズボンの中で破裂しそうに勃起していた。
美しかった。
彼女のその姿は私の心をワシヅカミにする程に妖しく美しかった。
ただ、惜しむらくは彼女の肌に食い込むロープの色。
彼女の若すぎる白い肌に白い綿のロープでは色が映えない。
やはり麻縄の茶褐色か棕櫚縄の黒褐色の方が彼女の白く柔らかな肌には良く似合ったのではないかと私の頭の片隅が不満そうにそう感じていた。
小さなプラスチックの物差で長さを計る。
彼女の閉じた無毛の股間の肉の割れ目の長さは13mmだった。
hMGはアルファベットの順番で8.13.7でhMGに平行して必要なhCGの順番は8.3.7。
どちらにも13の数字は関連しないので仕事場で一番入手可能なクロミッドとなる。
目と口のテープを剥がされた彼女。
私は彼女に牛乳を飲むように言う。
私は彼女に少しヒドイ事をしたようだった。
脱水症状なのか一言も口を開かずサラダボールの中の牛乳を狂ったように飲み続ける。
脱ぎ捨てた私の服と小物入れ。
ポケットの中は煙草とライター、そして携帯用の灰皿。
小物入れの中は彼女の為に使う物しか入ってない。
私の身元が分かる物はこの地下室には何もない。
彼女のストッキングを頭から被り全裸になった私。
縛り上げた裸体のまま地下室の床に這いつくばる彼女はお尻を高く掲げて牛乳飲む。
私の為だけに彼女はその素敵なお尻を高く掲げて喉を鳴らし牛乳を飲み続ける。
小さなプラスチックの物差でまた長さを計る。
私の勃起したペニスの長さは13cmだった。
クロミッドからも次へとステップは進む。
オビラプトル。
そして郭公へと。
オビラプトルとは卵泥棒と名付けられた化石の姿で残る恐竜の事だった。
その化石での姿は産卵場で卵を盗もうとしてプロトケラトプスの親に噛み殺されているように見える為にオビラプトル(卵泥棒)と名付けられたが、実際のその産卵場の卵のすべてはオビラプトルの卵だった。
だから本当は卵泥棒ではないのかもしれない。
そう見えるようでそうではない。
つまり、それは私もそれと同じという事だった。
そして郭公の習性は託卵でどちらも問題は卵だった。
牛乳を飲み終えた彼女を私はだっこする。
毛布の上。
地下室の壁に背を付けた私は彼女を背後から抱き竦める。
華奢な肢体。
乙女にすらなっていない少女の重さ。
少女で子供でしかない彼女の軽さ。
彼女の柔らかな肌の感触。
私にとって何物にも代えられない全身で感じる至福と歓喜の感触。
彼女が私にあらがう動きの重さがそれに余計に加わる。
私に対しての怯えとうわずりの混ざった彼女の声が上がる。
「は、放して、お、お、お母さんに………お、お巡りさん、に、言い、つけてやる」
彼女のストッキングを被った私に彼女はそう言った。
私の腕の中で、もがき、首を曲げて気丈にも私を斜に見上げながら。
それでも彼女の瞳の中には恐怖の影が私には見えたような気がした。
私は声を変えて彼女の耳元で言葉を囁く。
「どうして? 君が私をまどわし、君が私を狂わし、君が私を望まぬしも選んだんだ」
「か、か、帰りたい。帰らせてッ。お家に、お家に帰らせて……」
その哀願の声を無視して私は言葉を続ける。
「見てたんだ。君は公園でお友達とジャンケンをしてココとココを触り合っていただろう。何回も。何回も。何回も。何回も。何回も……」
そう言い私は左手に力を込め彼女の身体を引き寄せ、右手を彼女の股間に差し入れ、小さな肉の合わせ目とその後の肉の蕾みにその指先で軽く触れる。
触れたその瞬間、火傷をしたかの様に彼女の身体はビクッと跳ね上がる様に強い反応を起こす。
「い、嫌ッ、嫌、嫌ッ、嫌、か、帰りたいの。お家に帰らせてッ、お巡りさんにも、お母さんにも言わない。言わないから……」
「……その続きなんだ。あの公園での遊びの続きなんだ。これは君が笑って喜んでいたあの遊びの続きなんだ。そう。これは君がもっと笑って、微笑み、喜んで、歓んで、悦びたいが為に君自身が願い望んだ遊びなんだよ」
そう言い、私は両腕を交差させ、ロープが食い込み膨らみ切らない彼女の二つの乳房を両手で揉みしだく。
小さく愛らしい乳房を揉みしだき、小さな野苺のようなピンクの乳首を指で挟んで擦り立ながら彼女を抱きしめる。
今まで以上に強く。
強く。
強く。
強く。
彼女の年齢はやはり13歳だった。
郭公は情報が必要だった。
一つで充分だったが、あえて半分づつの情報。
片側ともう片側。
一つで二つの全部の情報。
それらの情報は私の職場の空間で処理される。
残りのロープで下半身までも幾何学模様に縛り上げられ身動きできなくなった彼女。
彼女は地下室の床の上に股間を広げ立たされていた。
ストッキングを鼻の下までまくり上げた私はその彼女の前に跪き、彼女の股間に顔を埋め性器に舌をなめはわし、なめ上げては莢に包まれた小さな肉の芽に刺激を与える。
彼女のまだ幼い女の秘部を舌で私がなめ上げる度に彼女は股間を閉じてしまおうとあらがい動く。
それは無駄な行動だった。
彼女の両の太股に挟まれた私の頬とガッチリと抱え込む両腕がそれを許しはしない。
私の舌が、まだ幼い無毛の女の秘裂を割り、肉を合わせ目の奥へ突き入れ潜り込ませようとする度に彼女は腰を引き逃げようとする。
その彼女の動きは私を余計に嬉しくさせてくれる動きだった。
ロープに使ったスキンクリームに塗れた私の両手と指先。
彼女のお尻をつかみ、割り広げ、小さな薔薇の蕾を揉みほぐし、彼女の体内の奥までもぐり込んで蠢き彼女を愛撫する私の中指が腰を引いて逃げようとするれば、するほど余計に彼女の体内に潜り込む結果となり完全にその逃げの動きを封じ込めてしまっていた。
そして、舌でなめえぐり、指を蠢かせる愛撫を加える度に彼女の喉から絞り出る声。
絶望といまわしさと無理矢理に引きずり出される未知なる快楽と快感に恐怖する少女の幼さが残る私の心を掻きむしるような泣き声。
息を弾ませ、身悶え、狂おしく咽び泣き、嗚咽し、哀願の絶叫を上げる。
私の胸を、脳みそまでも、ゆさぶり、掻きむしる甘く聞こえる切ない彼女の声。
聞いているだけでいきり立つ私のペニスが白い精を吹き出しそうになる声。
聞いているだけで、我を忘れて、このまま劣情の虜をとなり、今すぐにでも悲嘆の涙で狂おしく咽び泣く彼女の処女の入り口を獣のようにできる限り荒々しく突き入れ、無慈悲に抉り回して、たっぷりと私の愛の証を彼女の胎内に注ぎ込むと言う衝動に駆られてしまいそうな声だった。
だが、それはまだ早い。
最終的に彼女には身籠ってもらうつもりだが、まだそれは早かった。
彼女を、13歳の彼女だけを熱愛する私の本性。
その本性がその衝動の暴走を制御してしまう。
しかし、漠然とした私の本性の本当の思いとは別の物が今の願いを叶えろと吠え狂う。
私は仕方なく熱愛の暴走を鎮める手段を取る。
床の上の転がる小物入れを足の指先で引き寄せる。
彼女を抱え込みながら小物入れの中に手を伸ばし中の物をぶちまけ取り出す。
転がり出る購入したイチジク浣腸の箱。
パッケージを噛み破り、開け、ノズルのキャップを口で開ける私。
揉みほぐし、指で愛撫し続け柔らかくなった彼女の小さな薔薇の蕾に、肛門にそれを突き立てては薬液を彼女の体内に注入する。
幾度も幾度も。
幾度も口の中に残ったキャップをその場に吐き捨てながら私は注入を続ける。
やがて何をされてるのか気付きもせぬまま彼女は私に生理的な苦痛を訴え始める。
彼女の腸管は注入されたグリセリンの激しい刺激に音高く高く鳴り、荒々しくその効き目を発揮し、波のように揺れ動き荒れ狂う強い痛みを伴う便意に泣き身悶え始める。
床の上に散らばり置かれたパッケージの残骸。
購入した半分ばかりの座薬を注入し終えた私は生理的苦痛に身悶え続ける彼女の姿を存分に眺めてから地下室より連れ出す。
用心の為に目と口をガムテープで塞いで。
トイレの便座に彼女を座らせた私はドアを締め煙草に火を付けて待った。
彼女の体内から汚物のすべてが排泄されるのを待つ。
そして今、私は彼女を念入りに洗う。
彼女の全身を、そして体内をきれいに洗い流す。
バスルームでシャワーのホースの先を切断し、切り口の近辺をライターで炙り細く伸ばして先端を焼き溶かして丸くした物で……。
そしてぬるま湯で何度も何度も洗い流す。
彼女の薔薇の蕾を揉みほぐし愛撫しながら彼女の体内を何度も何度も洗い浄める。
彼女の下腹がぷっくりと膨らむみ、それが一気に萎ませるのを何度も何度も繰り返す。
私には我慢ならなかった。
私は許せないでいた。
彼女のこの小さく硬く青い素敵なお尻の中にも汚物が詰まっていると言うこの現実が。
地下室の床に立つ彼女の身長は130cmだった。
地下室の床の上に転がる散らばる握り潰して使用済みとなったプラスチック容器とキャップの数の合計は13個だった。
夢中になり吐き出すのを忘れたキャップの一つを私が飲み込んでしまったからだった。
オビラプトルは卵を求める。
郭公はまずは愛の形の情報を求める。
一匹目の郭公はトポイソメラーゼ。
郭公は情報を二つに分離、分割、解きほぐす。
二匹目の郭公はポリステラーゼ。
郭公は情報を編集する。
そして、雷撃を呼ぶ神の怒りではないタダの電撃を郭公は欲する。
地下室に戻り内側からダイヤル錠をかけた私は縛り上げたままの彼女を自分の上の膝の上に跨がらせて抱く。
彼女の洗い髪の匂いがした。
とても良い匂いだった。
彼女の目と口のテープを剥ぎ取る。
彼女の反応は鈍く痛々しかった。
それでも私から遠ざかろうと身を引こうとする弱々しい動き。
私は彼女の細いウエストと巻き付く縄をつかみ自分に強く引き寄せ互いの身体を密着させる。
彼女の若過ぎる柔らかな肌とその柔らかな肌を噛む縄と縄目の感触。
そして彼女のうなじを愛撫しながら引き寄せた唇に自分の唇を重ね彼女の声を消す。
私はもっと彼女の唇を吐息を感じたくて、むさぼるように彼女の口蓋に舌を差し入れる。
彼女の羽のように柔らかい唇と舌と唾液の感触と味。
弱々しく啜り泣くままの彼女の涙が加わりその接吻は塩辛い。
私はその緊迫されたままに慄えて静かに咽び泣く彼女の若い肢体を抱き締め、いきり立つペニスを無毛の処女の肉の亀裂にそって強く擦り付ける。
揉みほぐし、きれいに洗い流した彼女の小さなソドムの薔薇の蕾を指の本数を増やして愛撫しながら。
やがて狂ったように彼女の唇を強く吸い、舌を強く強く搦めながら私は彼女の下腹部ペニスをになすりつけるように精を放つ。
その後は彼女の体位を変えて彼女を背中から抱き締める。
白い樹精にまみれたままに、ぬらつき、硬さも、太さも変わらぬままに勃起するの私のペニスで充分に揉みほぐし柔らかくなった彼女の薔薇の蕾を貫く為に。
私は腰を浮かし逃げようとする彼女の小さな肉の蕾の己の分身である硬く脈打ち、いきり立つペニスをあてがい、一撃で突き上げ、彼女の体内を深く貫き腰を打ち振るう。
舌を絡め合いと、彼女の小さな唇を吸い千切るような強く暴力的な接吻と。
小さく未熟に膨らむ乳房と乳首への愛撫と。
処女のままに肉の悦びで濡れそぼりながら限界まで開こうとする肉の通路と敏感な肉の芽を強く、弱く、優しく、荒々しく刺激する愛撫と。
彼女の耳元で『彼女の名前』と『愛している』と私の心の思いの限りを紡ぎ出し繰り返し唱える呪文のような愛の言葉の囁き……。
やがて苦痛を訴え、狂ったように身体を身悶えさせ、くねらせる彼女の動きが、貫き、突き上げ、押し上げる私の動作とないまぜとなり混ざり合い始める。
そんな中、私は硬さと太さと長さがまったく衰える兆しを感じないペニスから彼女の体内へ白濁した男の精を何度もしぶかせ、噴出させ、注ぎ込み続けた。
温かい物が彼女の体内に幾度も広がり満ちる感触。
それが繰り返される。
彼女の体内でより硬く、より太く、跳ね上がるような射精は繰り返される。
樹精が完全に涸れ尽くして疲れ切った私が泥の様に深い眠りに落ちるまで……。
私は待つ。
印が出るのを。
なぜならば彼女は13人目の特別だったからだ。
今までのように終れば解き放ったりする気は毛頭なかった。
彼女は特別な13番目の私の恋人だったから……。
郭公の次はプレディクター。
小さい窓と大きい窓の両方に赤紫の丸い印が現れるのを私は待つ。
地下室は次第に狭くなってゆく。
ボルトで床に固定された小さなベッドに小さなテーブル。
手作りの診察台に医療器具を入れた棚。
各種の医薬品。
彼女が私を呼ぶ名も変わる。
ストッキングの覆面の時はおじさまで白衣に目だけをさらしたマスクの時は先生。
私は、おじさまは彼女に与え続ける。
人工の太陽光。
食事。
睡眠。
強烈な快感と身を締め付けるような愛撫と性愛。
私は、先生は彼女に与える。
限りなく、ひたすらに純粋さを追求した愛の結晶を。
彼女は少しづつだが私を拒まなくなりつつある。
それは、いつも通りの少女たち反応だった。
彼女の前の12人の少女たちと同じ反応だった。
そして特別な今回は私は印が出るのを待つ。
その印をひたすらに待つ。
彼女が私の恋人となって過ごす毎日。
綿ロープでの緊縛と淫蕩なる性愛の日々。
タルカムパウダーとゴム手袋。
それにプレディクター。
ついには印が出現する。
二つの窓に赤紫の丸い印が二つ。
小さい窓と大きい窓の両方に。
私は微笑む。
ひたすらに純粋なる私の思いと願いが叶った事に。
私は彼女をロープで縛る事をやめる。
私の手垢と彼女の身体から苦悶のあまりに絞り出された女の脂と感じやすいその身体への愛撫で滲み出た体液や脂汗を吸ってしなやかに馴染み、黒く染まりって彼女の白い肌の色に良く似合い、映える綿ロープであったが縛るのをやめてしまう。
衣服も彼女に与えてベッドと彼女の右の足首に鉄の鎖を南京錠をかけるだけにする。
彼女が私にまったく抵抗をしなくなったのと彼女の身体に対する配慮のつもりだった。
咲き誇る八重桜の華。
その雪白色の可憐な花弁が次第に紅く染まるかのように彼女は少女の姿のままに女の色香が咲き匂う凄艶な美しさを次第にその身体にまとい始める。
その日、食事を足首を鎖に繋がれた彼女と地下室で取った。
そして、食事が終りストッキングの覆面のまま食器を片付けようとする私。
その私に彼女が声をかける。
私は振り返る。
スカートの端を口にくわえ、膝上までショーツを降ろし、無毛の女の部分を両手の指で割り広げる彼女は私に見せつける。
彼女自分の手で処女の花芯を大きく歪め広げ、限界まで剥け切ったクリトリスを擦り立てながら熱っぽく自淫にふける姿を。
「ず、ずっと。ずっとおじさまの事を考えて、こ、こんな、こんな事し、してたの。お、おじさま。いつもの『愛してる』って、私の耳に言ってッ! 私を縄でしばって、ギュッと強く抱き締めてっ!! そ、それ、それとこっち、こっちなの。お尻じゃなくて、こっちの方、こっちなの。お、オ○、わ、私の、私のオ○ンコの方……して! 愛して!!」
異常な昂りにブルブルとスカートをくわえたままに震える彼女の涙声。
そんな彼女が小さなテーブルの横に立っていた。
ドス黒く染まる綿のロープで彼女を再び縛り上げる。
彼女の熱く狭く未熟な胎内。
私は興奮のあまり13秒間で精の矢を彼女の胎内に放ってしまう。
そして、10代の少年のように出しても、出し手も、萎える兆しのない私のペニスは破瓜を終えたばかりの鮮血にまみれた彼女の肉の花房を貫き続け、その中で交配と射精を私は合計13回も繰り返す。
ただし、彼女が私の上であった。
彼女の細く小さな指先に愛液の糸を絡みつかせていた女の部分は飢えていた。
彼女は身も心も快楽と快感に飢え切っていた。
小さなベットに横たわる私の上に縛られたままに跨がる彼女。
スレンダ−と言うよりも女の脂の丸さ柔らかさが貯っていない彼女のウエストと下腹。
彼女の愛液で濡れ光る亀裂のような肉の合わせ目。
彼女は躊躇しつつもしゃがみ私の硬いままのペニスをその部分でくわえ込む。
そして彼女は破瓜の苦痛を完全に忘れたかのように膝を浮かし、腰を使って、狂ってしまったかの様に鮮血と肉の槍の洗礼を自ら求め受け入れた。
そして彼女はフル稼動のポンプのように私の樹精を13回も吸い上げ続けたのだった。
それは完全に完成したと言う事だった。
反聖痕とも言うべきプレディクターの二つの丸い赤紫の印だけでなく、完全な幼さを残したその身体のままに緋文字以上の堕落の烙印が押されれた淫蕩な聖女が……。
「あぐうッ、 ぐh、は、はッ、うhッ、はッ、はっ、 んん、はっ、ふhッ」
荒い呼吸と歯を食いしばる彼女の口からこぼれ出る呻き声。
彼女が私の恋人となって13ヶ月後の事。
二つの丸い赤紫の印。
妊娠検査キットであるプレディクター。
その二つの窓に赤紫の丸い印が出現した受胎告知のその日から275日後。
十月十日命を育んでの出産予定日。
彼女は地下室で手作りの診察台の上でその身体を拘束されていた。
診察台の上の彼女は今まで以上に美しかった。
母乳をジクジクと滲み分泌させる二つの乳首。
まだまだ幼すぎる身体に青い血管がうねって浮く程に大きく張り詰めた乳房。
身体の中央を走る赤く浮かんだ妊娠線。
膝の裏側の瘤。
栄養を嬰児に強制的に与える為に艶をなくした彼女の髪の色。
幼い身体のままに歪に大きく膨らむ彼女の下腹とその中の命。
母親の身体と言う卵の中の新たなる生命。
酸素も栄養も大小便の排泄までも母体に頼る小さな嬰児を彼女は育み続けた。
全裸のままに両の手首と両の足首を診察台にベルトで磔にされた今の彼女の姿。
一番変わってしまったのは彼女の女の部分その物だった。
限界寸前まで大きく広がり子宮口までもが肉の花弁の奥に膣壁を通して覗き見える。
彼女の自らが望んで女となった肉の花房を私の手で男のペニスを象ったゴムのオモチャをくわえ込ませ、貫き、抉り、粘膜を擦り立てる快楽を教え込んだ日々の結果だった。
ゴムのオモチャは日に日に太さと長さが増していった。
そして、ついには繁殖期の種馬の逸物と同サイズの巨大な淫具となった。
その淫具で膣口を広げ、産道をも広げ、少しでも彼女の出産の負担を減らす意味でもあるその作業は流産の恐れがなくなるまでこの手で続けられたのだった。
そう。
彼女の姿は、その何もかもがグロテスクでアンバランスで吐き気を催しそうになるぐらいに、この世で一番美しい女性だった。
そして破水が訪れる。
「あぐッ、いッ、嫌なの。嫌、嫌ッ! 先生、生みたくないッ 生みたくないのッ!!」
彼女はすべてを知っていた。
私が彼女の耳元で愛の言葉を囁くようにすべてを教えたのだから。
彼女が恐怖し、畏怖するまで、ゆっくりと、噛み砕き、完全に理解するまで。
彼女は理解してしまった現実に脅え狂う。
恐怖と胎内から加えられる未知の痛みのあまり、彼女は目を吊り上げて見開き、泣叫びながら手足を拘束するベルトを引き千切らんばかりに暴れ身悶える……。
私は彼女の両の乳首を口に交互に含み無為に滲み流れ出る母乳を吸い上げ、味わい、嚥下する作業を止めて顔を上げる。
「うん。とってもアメリカン……。それとね。そんな事言っちゃダメだ。君の遺伝子ソノモノを受け継いだ正真正銘、君の娘なんだから」
「ちがう…、ちがうよぉ! 生みたくないッ、た、た、助けてッ!!」
「違わない。処女のままに嬰児を孕んだ受胎告知。救世主が生まれ出るのかと考えていると、残された処女の証は自らが、自分の意志で男を求め欲しがり、勃起し、精を噴きそうにいきり立つペニス求めて腰を落とし、私のいきり立つペニスをくわえ込んで、その小さなお尻を振り乱し、自らの処女を蹂躙し、陵辱し、汚し狂って快感と快楽を求めてヨガリ狂った淫乱な聖女が産み落とすにはピッタリで素敵な代物だよ」
「が、ぐぅ、ぐhッ。け、蹴らない、で、蹴らないでッ! う、嫌ッ、生みたくない 生みたくないのッ、 ち、ちがうのッ。ち、ち、ちがうわ。子供じゃないッ! アタシの子供なんかじゃないッ! ぜんぜんちがう。ちがう。ちがうわッ! まったく別の物ッ! ば、化物ッ、あ、悪魔ッ、悪魔よッ!!」
そう。
確かにその通りだった。
排卵誘発剤のクロミッドを彼女に服用さし、常用させた私はオビラプトルとなり彼女の卵子を摘出し入手した。
そして職場の顕微鏡を覗きマニュピレータ−を無断に操作して卵子の核を抜き取る。
その後の手順は彼女の体細胞そのままを使えば良かったのだが、後々の計画の為にあえて複雑な手順を私は取ってみた。
体細胞のDNAのニ重螺旋。
DNA複製を促進する酵素トポイソメラーゼで解きほぐし、その状態のまま置換酵素のポリステラーゼを加え任意のDNAとニ重螺旋を編集し作り上げる。
そして彼女の体細胞のDNAと任意に作り上げ抽出したDNAと組み換えて半分はオリジナルでもう半分は任意の遺伝子を半分持った細胞の完成。
もう一度同じ手順でもう半分もコピーに編集。
出来上がったのはまったく同じ遺伝子情報をそなえた完全なる彼女の体細胞のコピー。
そのコピー細胞を先の核を抜き取り出した彼女の卵子の核と入れ換える。
人や動物の卵子から核を除き、体細胞の核を移植し入れ換えてできたものを「クローン胚」と呼ぶ。
最後の手順としてこの「クローン胚」に電気刺激を加えた後、郭公の託卵の様に彼女の子宮に「クローン胚」戻せば卵子は定着し分裂し成長を開始する。
これが処女受胎の正体。
医学及び畜産方面では、すでに確立されているこのクローン技術。
この技術を私のこの手で施され、彼女は彼女自身を身籠る。
彼女は自分自身を身籠り、まもなく彼女は自分自身を産み落とす。
「hっ、ぐあぅ、 暴れないでッ! ぐ、ぐうぅぅ、だ、ダメ、ダメェ…ッ で、出ちゃう。い、嫌、で、出るッ、出ちゃうよ。 ハギィィィィ……。う、生みたくない。 生みたくないっ、出ないでッ、出ないでッッ!!」
彼女はあらがう。
クローン技術で母体から生まれた嬰児はオリジナルの人間の歳の離れた双児とされる。
だが、母体が彼女自身の場合はどうなる?
産み落とされる嬰児は、遺伝子だけでなく彼女自身の血と肉を分け持ち生まれる。
母親であり、父親でもあり、双児の姉妹であり、娘であり、完璧なる自分自身。
人類最大の禁忌は親殺しと近親相姦であると言われる。
嬰児である彼女自身はマムシの子のごとくに未熟すぎる彼女の母体を喰い破り、生みの親である彼女自身の命を奪い生まれ落ちる可能性があった。
また、これ以上の近親相姦はこの世には存在しない事であろう。
その事を私からの説明で理解する彼女は脅え、恐怖し、あらがい、暴れ、身悶える。
「……で、出ないでッ、出ようとしないでよぉッ!! うh、う… 生みたくないッ、アタシ…こんなの生みたくない…、こ、こんなのを、う、生みたくないよぅッ!!」
彼女は狂ったように泣叫び続ける。
巨大な淫具で緩み開き切った女の部分から破水で溢れ出る体液が彼女のお尻の割れ目の溝を肛門の方へと伝い流れて診察台にしたたる。
私は僅かばかりに和毛が生え始めた彼女の女の部分の敏感過ぎるクリトリスを指先で挟み、剥き、外気にさらしたその肉の芽を擦り立ててみる。
彼女のアノなまめかしくて艶っぽく素敵な反応をまったく私は感じなかった。
また彼女もそれどころではないのだろう。
残こる時間は少ないと感じた私はタルカムパウダーを両手にまぶしラテックスのゴム手袋をはめる。
そして彼女の大きく足を開いた股間の前で待つ。
零歳の彼女が現れるのを。
この後、13年間は自分の娘として育て上げ、自分の理想の恋人に仕上げる為に。
そして、13年目が過ぎ去り14歳となった彼女にもまた同じ事を繰り返す為に。
14歳となり、また彼女は彼女を生み落とす事となる。
いや、クローン胚を二つ用意して双児にしてみよう。
そうとも。
彼女と私自身を同時に生み落としてもらう事にしよう。
体細胞、いや、DNAを特定する物さえあればなんだって出来るのだから。
そうすれば私と彼女は永遠の存在となる。
そして、それは繰り返される。
なぜならば私は13歳の少女しか愛せないのだから。
私は13歳の1年の間だけの少女しか愛せないのだから。
私は特別な13歳だった彼女しか愛せないのだから。
十月十日の間、自分自身を自分自身の胎内で育み14歳となった今の彼女に私は以前のように、この身体を焼き尽くすような狂気の熱愛も煮えたぎり爆発するマグマように渦巻く劣情をもまったく感じなくなってしまっていた。
今では新たなる彼女を生み出す肉の孵卵機としか見えない彼女の前で私は待ち続ける。
大量の産湯を沸かしたままの地下室でひたすらに待ち続ける。
「はぐっ、ヒギィィィッ!! あhっ、あぐッ、ひぎィーーーっ!!」
やがて、彼女の荒い呼吸に重なる涙声が途切れ胎内で発生する深く重い苦痛からの意味をなさぬ凄まじい絶叫が湧き起こる。
溢れ出る彼女の体液と血の色。
産道の奥に見える子宮口がみるみる広がり、黒っぽい物体がその姿を覗かす。
そして、子宮口が限界まで広がり産道を通って彼女の頭の部分がこの世に現れる。
そして、彼女の女の柔らかな肉の部分を切り裂くように新たな彼女は誕生する。
(まるで、血にまみれた巨大な目玉のようだ)
新たなる彼女を生み落とそうとする彼女の股間の前で、新たなる彼女を取り上げようと待ち構える私は、彼女の股間から今、生れ出ようとする新たなる彼女の頭部を見つめてそんな事を考えてしまっていた。
そして、何故か深い考えも意味もなく、記憶の片隅から引っぱり出した呪文らしき文言を勝手に私の口は繰り返し呟いているのだった。
「エロイム・エッサイム 古き骸を捨て、蛇はここに蘇るべし……」と。
かつては13歳で13番目の特別な恋人だった彼女。
今は13歳ではなくなり、私の恋人ですらなくなってしまった彼女。
その彼女の名前は奇しくも聖母される女性と同じ名のマリアだった。
つまり、新たに生まれ変わり手に入れた彼女。
彼女だった残骸で今、母乳を無心に無垢のままにむさぼり飲む嬰児もマリアであった。
終り